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2014年12月17日 (Wed)
生きていますよりえです!
アンソロの方がもうちょっとで終わるので、それが終わったら寒中見舞いです。
もしかしたら保険を掛けている分が必要なくなるので、それがアップできるかもしれません。保険は掛けても使わないのが一番です!

ネタバレ禁止なのでストモについては語れませんが、シンもでて明日はレオが来ますね!!
ツイッターで皆さんが挑発やら敬意の専用台詞見られているようで、すごく気になる。みたい。まだゆっくり見ている時間がないので、年明けにのんびりやろうと思います。

インテも近くなってきてドキドキです。
いろいろ間に合うかな~~;;オンリーイベントとかはよく参加してましたが、大型イベントは初めてなのでどきどきです。
スペース空きがでそうだなー;;でもいまからいろいろ作るのは厳しいので、寂しくならないよう考えておきます。

ネタバレあり作品はたぶんすぐには出来ません。
なかなか消化しきれなくて;;;しばらくは今まで考えてた話の消化が多いような気がします。
というか、中途半端に消化されたものが散らかってて収集が付きません。
書きかけの物が多いのですが、もう描かないだろうなっていうのはそこでも挙げたいなーと思っています。紙媒体が減らなくて;;;

追記はぺとぺとさんこんなネタが降って来て消化に困っちゃった小話を放り込んでます。
レオさんが出てきちゃった。(※本筋の話になるかは未定です)



それは自販機の横の長椅子にいた。
とんでもなく、笑顔で。金色の耳と尻尾を隠さずに、全身で喜びを体現していた。
大口を開けてその物体を頬張ろうとしていたのをたまたま見かけてしまい、そして同じくして相手も気付いた。

「レオ」

大口を開けていたのを恥じらって慌てて口を閉ざす。

「レオも休憩ですか?」
「ああ」

正直顔を合わせたい相手ではなかった。あくまで自分だけ。
気分を紛らわせるために自販機にわざわざ珈琲を買いに来たのに、気分を紛らわせる原因を作った相手と出くわしては本末転倒だ。
がたんと落ちた珈琲を回収してさっさと離れようとしたが、気付けばそれは自分の居場所をずらして座れるスペースを作っていた。

「…わざわざこんな寒い所で食べなくても、研究室に戻ればいいだろう」
「あそこは飲食厳禁なんですよ?」

促す様に長椅子の合皮を叩く。
何かうまくかわせる方法がないかと一瞬思案したが、存外面倒だった。ならいっそさっさと飲み切ってしまった方が早いと判断した。

どっかり掛けると「ふわ」っと声が上がった。掛けた衝撃で浮いたらしい。
が、あえて気付かないふりをしてプルタブを上げる。
しばらくきょとんとしていたようだが、気を取り直して再び手の中の物体を頬張ろうとする。

「それなんだ?」
「ご褒美です」
「それは知っている」

手の中に大事そうに収まっているそれは、奇妙な形をしていた。
しかしそれがどうしてその手に収まったのかの経緯は凡そ検討がついていた。
先程の実験結果が上々の、というかとんでもない、出来だったので、そいつの飼い主から送られたご褒美だ。

「ジャパニーズフード、たいやきです」

屈託のない笑顔で説明して見せた。
それは先程の実験結果で、自分の結果と圧倒的な差を見せつけたのにも関わらず「これからも切磋琢磨していきましょう」と言ったのと同じ笑顔だ。

だから頭をよぎったことを実行に移すのに抵抗がなかった。

ぱく。

「え」

たいやきの説明をする為差し出していたそれの頭にかぶりついた。
頭は見事になくなった。ひれを模したのところも辛うじて残っている位だ。

「まー、まあまあだな」

もちもちとした食感に絡む餡の甘さがほどよい。ほんのりと温かいのもよかった。
大人げない報復劇だが、無防備に大事なものを差し出す方が悪いのだ。
そいつは齧り取られ残ったそれを、じっと見ていた。事態がわかっていないのか、耳はぴったりと動きをとめて動かなかった。
それが動いたのはコーヒーでたい焼きを流し込んだ時だった。

ぽろ。

瞬きもせずそれは泣いた。
真珠が目から零れたのかと思ったくらいそれは綺麗に泣いた。

「な、泣くことないだろ」
「あ、な、泣いてません!」

手の甲で乱暴に拭っているあたり説得力がない。

「大体、非常識です!勝手に人の物食べるなんて!」

一度零れたものを我慢しているのか、呼吸を詰める。

「そこまでガキだとは思ってなかったんでな」

これは嘘だ。
これはとんでもなく幼い。無垢といえば聞こえはいいが、飼い主に褒められただけで尻尾と耳が飛び出してしまうのはまだまだ未熟な証拠だ。

恨みがましそうに残されたたいやきを睨む。
そんなに好物だったのか。

(やりすぎたか…?)

まさかこれほどまでの効果があるとは思っていなかった。
かと言って癇癪を起す程子供でもないらしく、しかし諦めがすぐつくほどでもないらしく、ただじっとたいやきを睨んで堪えている様は、やりすぎたという後悔を起こすには十分だった。

謝罪の言葉を口にしようとした時、何かが視界を遮り、遅れて風圧とどんという音が眼前でした。

「何泣かせてんだ」
「フレデリック」

近すぎて一体何が目の前に現れたのか分からなかったが、声の相手を見て分かった。それは人の足だ。
自分と彼とを遮るように伸びた足は、境界線を示しているようだった。

「フレデリック、壁を蹴るなんて行儀が悪いです」
「で、なんで泣いてた?」
「べ、別に泣いてないです」

そう返答した相手を、その男は(確か飼い主だ)一瞥すると、自身が持っていた紙袋を突き出した。

「それと交換しろ」

どうやら中身は一緒の物らしい。恐らく男の分だ。

「え、でも」
「さっき昼飯食ったから一匹いらねぇんだよ。なんだったら捨てるぞ」
「だめ!なんて勿体ないことするんですか!」

受け取ることを催促するように紙袋を振る。
少し戸惑った様子だったが、飼い主の言うことだからか、それとも食欲に負けたのか、おずおずと紙袋と食べ掛けのたいやきを交換した。
交換して本来の形のたいやきを確認すると、表情こそ足が邪魔で見えなかったが、尻尾がふわりと揺れた。
たいやきを受け取ったことを確認すると飼い主は足を降ろし、次に自分のペットの腕を引いた。

「次の準備があるから向こうで食え」

無理やり立ち上がらせ無理やり連行する。
飲食厳禁ですよね?と確認する相手に対して、俺がいいって言ったらいいんだよ。とぞんざいな返事を返す飼い主。

帰り際、肩越しに振り返った飼い主は、ようやく一瞥をこちらに寄越した。
それは敵意を大いに含んだ一瞥だった。

「レオ、また後で!」

飼い主のそんな不穏な空気に気付かず、呑気な声を掛けてきた。
それすらも飼い主は癪に障ったらしく、振り返っていたそれの肩を抱いてずんずん進んでいった。

「さわらぬ神に祟りなし…だったか?」

後で用法が間違っていないことを確認したら、使用例に挙げようと思った一瞬だった。
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