ちょろっとネタを発散したかっただけ!
ちゃんとまとまってない。
ちゃんとまとまってない。
何か夢とかあるの?
ふいと舞い降りた質問をあまり考えず言葉にすれば、ひょこんと三角の耳が揺れた。
「夢?」
「うん、将来の夢」
再度問いかけると、もう一度金色の三角小山の耳が揺れた。
かと思ったらふにゃりと垂れさがる。
「あり、ました」
それはとても気恥ずかしそうに。
肩をすぼめて背骨が丸まる。
常にピンと背筋が伸びている彼にしては、大変珍しいものだった。
当人に自覚はないのだろうが、その仕草は大変可愛らしい。
「『ました』?」
「『ました』」
「諦めちゃったの?」
「私にはなれないことが分かったので」
昔は無知だったんです…。
ますます耳を垂れ下げて、ますます小さくなって、その頬はほんのり赤かった。
「どんな夢?」
そんな反応されたら聞きたくなるのは、きっと自然の摂理である。
「本当!私世間知らずだったんです!」
よほど恥ずかしいのか、必死に避けようとする。
かわいいなぁ。
「でもその時は本気の夢だったんでしょ?絶対誰にも言わないから教えて?」
「…本当に言わない?」
「言わない」
「フレデリックにも?」
「言わないよ?」
垂れ下がっていた耳が少しだけ持ち上がる。
とても素直な子なのだなぁと感心する。
あの飼い主からどうやってこんな子が育つのか、疑問はふり募るばかりだけれども。
あ、ほら、今も飼い主が気になって時折鋭い視線を寄越してる。気づかないふりするけど。
「笑わない?」
「本気の夢を笑わないよ」
もじもじとして、視線はこちらに戻ったり、向こうで仕事しているフレデリックに行ったり、行き来する。
普通なら鬱陶しいなぁと思う仕草だろうが、不思議なことに彼がするのは可愛らしいので、いつまでも見てていたい気もした。
その間に彼は意を決したのか、それはとてもとても小さな声で言った。
「フレデリックのお嫁さん」
小さい声なのに、不思議なことに衝撃を持って届いた。
言い切ったことにさらなる羞恥を覚えてか、顔はすっかり赤くなってしまった。
この仕草に使命感を覚えた。
「フレデリックー!この子君のお嫁さんになりたいんだってーー!!」
「コンマ3秒の裏切り!!」
ひどい!うそつきです!フレデリックには言わないっていったのに!!と嘆き悲しむ様はこれまた可愛い。
いや、あまりにも世間を信じすぎているので、これはきっといい経験になったことだろう。
それにこの夢は叶わない夢でもない。
それならキューピットになってあげようと思っただけだ。
褒められこそすれ詰られる謂れはない。
「は!フレデリック!!」
向こうで仕事をしていたはずのフレデリックは、いつの間にか距離を詰めていた。
相変わらず人相が悪いなーと思う。
「あの、え、っと、あの!」
伝えるつもりがなかったことが暴露されて対応に困っているのがとてもかわいい。
と思ったら、彼はたくましい腕に引っ張られて大きな体の影に隠れた。
「白無垢か?」
「君、飛躍しすぎでしょ?」
ぎゅっと抱きしめられてワタワタしている彼は可愛いけれども、その光景はあまり楽しくなかった。
*********
白無垢の意味が分からなくてどういうことなのかわからないぺとぺとさんにより片恋は終わらない。
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